訪問看護は
その利用者さまとご家族の持っている力を引きだし、発揮してもらうようにするのも役割のひとつです。
病気により失われてしまった機能が訪問看護の介入や、何かのきっかけにより少しずつ回復していくと、ふたたび自己管理能力を発揮し、訪問看護が無事に卒業できることもあります。
先日の利用者さまは、
突然の病気発症より生死の境をさまよわれ、長い間集中治療室におられました。
その後一般病棟、リハビリ病院への転院を経由し、ご自宅に戻ってこられました。
在宅生活が始まったころは寝たきりに近く、発語も少なく、心身ともに衰弱している状態でした。
その後、少しずつ身体機能は回復。
そして今度は長い間ひとりで利用者様を支えてこられた伴侶の方の体調が思わしくなくなりました。
利用者さまが変わり始めたのはそのころからです。
今度は自分ががんばらないと、という環境、お気持ちになられ、本当に前向きに、元気になっていかれました。
病気は健康な身体を奪うだけでなく、役割をも奪ってしまう。
役割(生きがい)を失うと喪失感、意欲の低下、生活の張りを失います。
そのことによって生きる力もとても弱ってしまうものなのだということを実感しました。
きっかけは決して幸せなことではありませんでしたが
これからもご夫婦でお互いに支えあいながら
1日1日を過ごしていただけたらなと心から願っています。
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